メイドインジャパンの底力。日本ワインと時間の関係性を紐解く。

ワインと時間の関係性。

ワインの歴史はとても古く、ワイン造りの始まりは紀元前にまで遡るといわれてます。ワインには「赤」や「白」「ロゼ」「発泡ワイン」など色も違えば、味も香りもそれぞれ違う多種多様のワインがあります。その国や地域、ワイナリーの特徴を活かしたワインは、風土や歴史、土壌や気候、原料となる葡萄品種や造り手によって大きく変わっていきます。仮に同じ畑の同じ葡萄の木から採れた葡萄でワインを造っても、収穫年によってワインの出来が違うように、デリケートで奥深いワインだからこそ世界中の人たちを魅了してしまうのでしょう。
熟成と聞くと、ワインを思い浮かべる方も多いと思います。一般的には、時間をかけて寝かせることで風味に深みがでるといわれていますが、熟成の度合いとその変化はそれぞれのワインで異なります。赤ワインで言えば、タンニン(渋みを感じる成分)の角が取れて、酸味も落ち着くことで、口当たりは柔らかくまろやかな味わいになります。若いうちは紫がかっていた色が次第にレンガ色へと変化していきます。そして果実味、酸味、甘味、渋みといった要素が混ざり合うことで複雑で奥ゆかしい味わいに熟成されます。
ここで重要なのが、熟成期間によって味や香りに深みが増すものもあれば、早く飲むことでフレッシュさが美味しいワインもあります。十一月になると日本全体がボジョレーヌーボーの解禁で盛り上がりますが、ボジョレーヌーボーは品評用に特別早く醸造されるワインで普通のワインとは製法が異なるため、長期保存には向いていません。ワインをよりフレッシュにそして、「その時だけの味わい」を期間限定で楽しめることが「ヌーボー解禁」と大きく取り沙汰される所以であり、一般の方にも浸透している理由かもしれません。
いずれにしてもそれぞれワインによってフレッシュなものや月日を重ねるごとに香りや味に深みが増すワインなど、時間との関係性は大いにあり、そのワインの飲み頃や特徴を知ることも楽しみ方のひとつなのかもしれません。
日本のワイン
山梨県甲州市勝沼。いわずと知れた国産ワインの代表的な産地です。山梨県は日本国内の葡萄生産の26%を占め全国一位。風光明媚なこの土地は、富士山の伏流水に恵まれており古来よりブドウ栽培に適した土地としてワインの醸造に最適の環境でした。ワインの原料となる葡萄は、白ワインは甲州葡萄、赤ワインは「マスカット・ベリーA」を主としており、近年では「メルロー」などのワイン専用のヨーロッパ品種も導入されるようになりました。山梨のワイン産業は、明治初期に勝沼の二人の青年がフランスで学んだワイン醸造技術を広めて以来、着実に発展し現在では約80のワイナリーがあるワイン産地となりました。
国産ワインの大きな特徴として「和食に合う」という点が挙げられます。日本の甲州種ブドウなど日本のオリジナル品種で造られるワインは和食の基本たる味噌や醤油、お酢などと相性がよく、海の幸、それも生魚と合わせても楽しめるワインなのです。最近ではスパークリングなど様々なタイプのワインも精力的に醸造されるようになり、和食ブームに沸く海外でも注目を集めて国内外でも高い評価を獲得しています。

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時と想いを込めたワイン
中央高速道路勝沼インターを降りて、一面のぶどう畑を北へ登ると国道411号の傍らに、中央葡萄酒株式会社があります。蔦が建物を覆い、どこかノスタルジックな雰囲気と存在感が漂うグレイスワイナリー。1923年に創業した歴史ある勝沼・グレイスワイナリーは、甲州ワインの伝統を継承しながらも革新を重ねて、その名を世界に馳せるワイナリーとして知られています。ボトルラベルは白をベースとした品のあるデザインが印象的。味わって楽しみ、見て楽しめるワインとして随所にこだわりを感じさせてくれます。
近年では、ロンドンで開催されるデキャンタワールドワインアワーズ(DWWA)国際ワインコンクールでも甲州初のシルバーメダルを受賞したことで、甲州ワインが世界へ名を轟かせる一躍を記しました。これまでは、アルコール度数が高く香りが立ち易くてボリューム感のある甲州ワインでないと世界に認められることは難しいと思われていました。ヨーロッパの法律で造ったワインで甲州初のシルバーメダル受賞は、甲州の特徴でもある香りやボリュームが控えめでありながら「存在感のある繊細さ」が評価された理由なのかもしれません。低アルコールでありながらも香りや風味など奥ゆかしさを感じさせてくれる甲州。そんな今までの常識を覆すくらいの魅力に魅了されるはずです。

 

取材協力/野村食堂Cantine中央葡萄酒株式会社

monoaru

http://www.adcip.com/monoaru/backnumber/vol2/jyukusei/wine/index.html

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