注目のイラストレーター サノユカシが描く世界観。

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自分の想いや表現を「絵」という形にして届けるイラストレーターサノユカシ」さん。彼女の独創的な世界観と、見る人に何かを語りかけてくるようなイラストの虜となる人は多く、CDジャケットのイラストを描いたり、店舗のイラストを任されたりとその活躍の場を広げている。また、ユカシさんの絵だけでなく、「人との出会いを大切にしている」という積極的で明るく、どこか奔放にも見える彼女の人柄を見てファンになる人も少なくないのではないだろうか。
そんなユカシさんの経歴は皆さんの想像と少し違っているかもしれない。一般的に考えると、高校を進学してから美大に入り、企業に就職し、経験を積んでから独立する。この一連のステップを思い描く方が多いと思う。しかし、彼女は高校を卒業してからカフェで働いていた。残念ながら、絵で生計を立てていくことを現実的ではないと思っていた両親により美大へ行くことを強く反対されていたと言う。そのため、美大に行くことは諦め、縁あってカフェで働くことになった。ユカシさんはその事について「結果的には、私の場合は美大へ行かなくて良かったと思っています。美大へ行っていたら、絵を描くにあたって苦手な宿題もたくさんで大変でしょうし、自分の描きたい絵を描けなかったんじゃないかと思っています」と振り返ってくれた。見ての通り、彼女の絵は自由な発想から生まれた完全に自己流の表現。その世界観が子どもの頃からずっとブレていないのは「絵というのはこういうものだ」などという偏った教えや縛りを受けず、常に自分の思うまま自由に描き続けてきたからだろうと思う。だから、「美術や絵の事を聞かれても実際のところよく分からない(笑)」のだと言う。
美大を諦めカフェで働いた頃が彼女の転機。オーナーはデザイン事務所を手掛けるケンブリッジの森、藤原慎一郎氏で今では師匠に当たる存在。カフェの通常業務をこなしながら、デザイン事務所の仕事で現場での作業や家具の搬入などカフェ業務にとどまらず、日々、色々な仕事に追われていたのだとか。「あの頃は今思うと本当に苦労しました。今までの生活の中で一番きつかったです。徹夜でメニューを考えたり必死にメニュー会議でのプレゼン用の文章を考えたりして。でも、今となってはそれも良い思い出ですし、その頃は作家さんとの交流の場を設けてもらえることが多くて色々と勉強させていただきました。それに、あの時に鍛えられおかげで、それまでの自分の描き方に+αの要素が加わったと思っています」。ユカシさんは、そんなハードな日々の中でも、毎日必ず一枚はどんなに寝るのが遅くなっても絵を描いていたのだと言います。何故そうまでして絵を描くのかと思ってしまいますが、ユカシさんにとってそれはごく自然なこと。毎日ご飯を食べたり、お風呂に入ったりするのと同じ感覚で、絵を描くのが毎日のルーティーンとなっているから一度も辛いと思ったことはないのだそう。むしろ絵に自分の気持ちをぶつけることでストレス解消していたと言う。
カフェが閉店となり、本格的に独立の道を歩むことになった。イラストでは、頭の中に浮かんだ景色を思うままに描くことを大切にしているという彼女は、モノや自然などをよく擬人化して捉えている。「今でもそうですけど、小さい頃から森に入る時に『おじゃましまーす』とか、『こんにちは』と言ってから入っています。子どもの頃からそれが普通だと思っていて、森や動物とお話している気持ちなんです。それで、そこからイメージできる風景を絵にしてみることが結構多いですね」と話してくれた。おそらくユカシさんのような感覚の方はマイノリティに含まれると思うが、これこそが彼女の自由で独創的な表現のベースであり、サノユカシというフィルターを通して生まれたイラストから興奮を感じずにはいられないのだと思う。

取材協力/イラストレーター サノユカシ

 

monoaru vol.5  http://www.adcip.com/monoaru/wazamono/index.html

 

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