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和のごちそう すきやき

肉料理の片岡(富士宮)

葱、春菊、しいたけに豆腐。ザクと呼ばれる具材を使い、醤油や酒、砂糖などを合わせたあまからの割りしたで味付け。そして主役はほどよくサシの入った牛肉。すき焼きの歴史は意外と浅く、今からおよそ160年前に横浜の伊勢熊という居酒屋が牛鍋を始めたことに由来するそうです。(※1)富士宮市黒田の「肉料理の片岡」では黒毛和種の上質な牛肉と創業以来40年変わらぬ秘伝の割りしたで味付けをするすき焼きが味わえます。A4・A5等級の牛肉は霜降りのサシがほどよく甘く、しつこくないので、口当たりがさわやかでまろやか。割りしたは醤油や砂糖にこだわり、飲んでも美味しいお酒で味を整えているそうです。そのレシピは門外不出で関東圏のお客様からも大好評の「片岡の味」を守り続けています。四季を感じる庭園と富士山を臨む縁側。和を感じる佇まいの庄屋づくりの建物は安政三年(今から156年前)、すき焼き発祥のタイミングと同じ頃に建てられたといいます。この歴史のめぐり合わせは「和」というひとつのテーマに引き寄せられた数奇な運命なのかもしれません。明治時代の文明開化の象徴。そして上を向いて歩こうのフレーズ。結果として外国と日本を結ぶ「和」の代表的な料理にして、親しみのあるあまから味。日本人である私たちがすき焼きの美味しさを確かめることも大切なのではないかと思わされます。

取材・撮影協力/肉料理の片岡
スウィーツ お茶漬け すきやき 鮨 天ぷら