旧芝川町、のどかな田園地帯にある富士錦酒造は、創業元禄元年、300年以上の歴史を持つ酒蔵です。富士錦のお酒はモンドセレクション最高金賞を5年連続で受賞するなど国内外で評価が高く「富士山のように清らかなお酒」として多くの人に家庭や様々なシーンで愛飲されているといいます。
そんな富士錦と野菜の、ちょっと大人な関係。
初夏から秋にかけて、日本酒の仕込みが一段落した富士錦酒造では、焼酎の醸造でにわかに活気づいています。地産地消や六次産業化への取り組みから地域で収穫された野菜や果物などを使って焼酎を蒸留しています。
まずは、いも焼酎「いもにい」。クセが少ないながらもあまさを含んでいて、きりっとさっぱりした飲みごこちは初心者にも優しい一本。原料となるさつまいもは地域の遊休地や休耕田を利用し、芋の植え付けから栽培、収穫などをすべて富士錦のスタッフみんなで行なっているそうです。
続いて日本酒を醸す酒蔵だからこそできる粕取焼酎。日本酒の醸造過程でうまれる酒粕を再発酵させて蒸留したもの。ふくよかなボディはロックでもお湯割りでも美味。長期熟成させる楽しみもあります。
他にも、麦や米、お茶からつくる焼酎や旧芝川町柚野(ゆの)地区の特産品である柚子や梅などを使ったワインなど、地域色も豊かなリキュール類もラインナップ。
さらには、各地域の特産品開発委員会や商工会などと協力し、例えば箱根西麓野菜のにんじんを使った焼酎や、松崎の棚田で作られる古代米から蒸留するものなど、酒造りの技術や知恵が、地域おこしにもフィードバックされているそうです。
野菜や果物が、このように焼酎やワインに生まれ変わる。ただ食べるだけではない、大人だけに許された野菜や果物をお酒として「呑む」という嗜み。
しかも地元の旬菜を使い、富士山の湧水で、そして伝統ある酒蔵が丁寧に仕込むと聞いたら、もうそれだけで気分よく酔えるような気がしてなりません。
富士錦酒造の焼酎と日本酒。どちらも飲み比べてみると、また新しいお酒の楽しみ方が広がります。アテにこだわるのであれば、旬の野菜も選択肢のひとつにどうぞ。
お酒を通じて味わう野菜や果物の大人な楽しみです。