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増島農園/長谷川農産


 伊豆の国市のちいさな農場で、白くてかわいらしいきのこに出逢いました。
 ひとつは「コプリーヌ」という白い柔肌の美少女。クセがなく品の良い食感。ほのかにナッツの香りを持っていて、シチューやグラタンなどのクリーミーな料理に好相性。丁寧に育てられ、幼いうちに収穫される箱入り娘は収穫量も限られていて、ちょっと贅沢なきのこです。
 「美白きのこ」と愛称を持つコプリーヌは、エルゴチオネインという抗酸化作用に優れた物質を多く含み化粧品やサプリメントの原材料としても注目を浴びています。てまひまかけて育てられる、ヘルシーで旨みたっぷりなからだに嬉しいきのこ。実は全国で2件ほどしか栽培している農場はみられないといいます。
 増島農園のプライドが詰まった「白あわび茸」。こちらはグラマラスなボディのべっぴんさん。広くはエリンギとして知られているきのこです。
 増島さんちの白あわび茸は自分がこれまで食べていたエリンギとちょっと違う。その名の通りあわびを思わせる確かな歯ごたえと、豊かな風味。バターで炒めるだけのシンプルな料理でも充分に主役をはれる、こりこりと食べごたえのある絶品。
 「いいきのこが収穫できた時、食べてくれた人に『おいしい』って褒めてもらえたとき、やっぱり素直に嬉しいですよね」と話す増島さん。培地と呼ばれるきのこを育てるベッドには杉の間伐材を使い、農薬を使わない栽培で残留農薬検査をクリア。それ以外にもたくさんの手間と愛情が注がれて元気にそだつきのこたち。食べる人のことを考え、おいしくて安心のできるきのこを届けたい。まっしろなきのこには、百姓の飾り気のない想いもつまっていました。


 初めて見た人は驚くことでしょう。その大きさとスノーホワイトと呼ばれる目のさめるような白さ。マッシュルーム先進国と呼ばれるオランダの栽培技術と長谷川式有機農法が創りあげる日本で初めての高品質なマッシュルーム。
 さっと炒めるだけでも、煮込んでもおいしい。長谷川農産のマッシュルームは無農薬・無漂白であることに加え、収穫したその日に鮮度の高いうちに出荷されるため、サラダなど生食用としても活躍します。試しに厚めにスライスしてひとくち。栗を思わせるふくよかな香り。生でこんなにもおいしいきのこ、初めて口にしました。
 代表の長谷川光史さんがオランダで学び「日本でもおいしい本物のマッシュルームを食べてもらいたい」と願い、オランダから直輸入している独自に開発された栽培用の菌床。栽培に欠かせない水は富士山の天然水。コンピューターで管理される温度や湿度。長谷川農産ならではの絶妙な栽培技術がもりだくさん。今ではマッシュルーム王国オランダに後継者が研修に行き、その技術や知恵に研鑽の姿勢を惜しみません。
 ナチュラルで美しい。それでいてビタミンや食物繊維などもたっぷり含んでいるためとてもヘルシー。富士山のふもとでこんなにおいしいマッシュルームが栽培されていること、きっと誰かに自慢したくなります。

取材協力/長谷川農産