富士市役所のほど近く。街なかの喧騒をやわらげるように富士山を気持ちよく眺める安らぎの空間。病院特有の緊張感のない病院。院内に入ると、ふっとこころが軽くなりました。

奇をてらった装飾はなく、訪れる人そして働くスタッフのいろいろな心理からアプローチした合理的なデザイン。そして高い耐震性と安全性は安心という何物にも代えがたい価値を実現しています。

「建築は環境からうまれる」とは設計・デザインを担当した松山将勝設計士の言葉。環境とは、きっと周辺環境という外的なファクターだけではなく、そこにいる人たちの心模様までを含めているのではないかと想像します。

出産という奇跡のつまったひとときを祝福し、歓迎するおもてなしの空間。きっとそれは産婦人科医院のあるべき姿のひとつ。

「訪れる人たちの感情を優しく抱擁できるような空間を創りあげたい」。

想像以上のものが出来たと喜ぶ中島院長の表情には、どこか引き締まった眼差しがかいま見えます。

優しさに包まれた空間には、きっと今も喜びの産声があがっていることでしょう。