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vol.6 『モノアル』とは・・・

ひとからひとへ

恋人に「やすらぎ」を。

 大切な人へ本の贈り物という選択はそれほど多くはないかもしれません。記念日に贈るアクセサリーやレストランでの食事に比べると派手さはありません。けれど、相手を勇気づけたい時、相手を癒したい時、相手の心に余裕を与えたい時など、普段の日常でふとそう思った時に一冊の本を贈ってあげられたらすごく幸せな関係だと思うんです。
 例えば恋愛物語を描いたストーリーがいくつもあるように、本には多種多様にジャンルがあり、さらにそこからいくつもの物語が生まれています。本を贈る時、どのジャンルのどんな展開の物語を贈ったらいいかということ真剣に考えます。相手のことを想って選ぶからこそ、その一冊にはきっと確かなメッセージが詰まっていることだと思います。
 朗読を通して自らの好きな本を紹介している沼津市在住の古根村優佳(こねむらゆうか)さん。昔から本が好きで特に日本語の美しさを改めて知ることができたり、自分の中にある言葉にできない感情を言葉に置き換えられたりできるのが本の持つ素晴らしい魅力のひとつという彼女。今では、自分のwebページで朗読をネット配信してその魅力を日々伝えています。いずれは各地で朗読会を開いたり、介護施設や病院などで過ごしている読む力のない方たちに向けて本を読んだりしていきたいと話してくれました。
 そんな彼女にも『恋人へやすらぎを』というテーマの中で三冊選んでいただきました。
 もし恋人にやすらぎを贈りたいけど、どの本を選んでいいか分からないという方がいらっしゃったら是非その時は参考にしてみてください。そして、自らの想いを本に託してまずは一冊贈りましょう。読み終えた相手に想いを伝える「あとがき」も忘れずに。

『祝婚のうた』 新川和江 編 小学館 『祝婚のうた』 新川和江 編 小学館八木重吉『愛の家』、吉野弘『祝婚歌』、草野心平『春殖』、大岡信『春のために』、永瀬清子『女のうたえる』など、新しいスタートに立つ二人のために、新鮮で魅力ある愛と結婚の詩34編を精選したアンソロジーです。
『ダイバーズクラブ 青木はるみ詩集』 青木はるみ 著 思潮社 『ダイバーズクラブ 青木はるみ詩集』 青木はるみ 著 思潮社自ら“キッチン・ポエット”と名乗り、人々からは“主婦詩人”と呼ばれた青木はるみ。鋭い観察眼で、主婦の日常風景をスケッチするように切り取り、鋭い感受性によって構築しています。詩は求心的かつドラマチック、そして少女のように可愛いらしい。かと思えば、時として爪を立ててくる。彼女が残した爪あとと痛みは心にいつまでも残ります。
『眠れる美女』 川端康成 著 プチグラパブリッシング 『眠れる美女』 川端康成 著 プチグラパブリッシング眠りと死は兄弟である。死に近い老人は自分には失せて久しい若々しさを持った処女と共に眠ることでエロスを掻き立てられる…。男性に贈りたい本です。行為は無いのにとても官能的です。日本語ってこんなにいやらしいのかと驚かされます。生と死に向き合うきっかけも与えてくれる一冊です。

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