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 めおとの誓いを交わすハレの日。あでやかな和装をまとう花嫁はとりわけ美しい。
 愛に満ち溢れた新郎新婦の姿を目のあたりにすると、自然と感動が生まれることはありませんか。主役はもちろん夫婦となるふたりではありますが、その日に纏う特別な衣装が、よりいっそう二人を初々しい幸せな夫婦に見せてくれます。
 日本の伝統美であり、古来から受け継がれてきた服飾文化である「うちかけ」。刺繍や金銀の摺箔がちりばめられ、全体に絵画をあしらっているかのよう。この技巧には花嫁を美しく見せることだけではなく、その先に拡がる幸せを願う友禅作家や職人の想いも詰まっています。
 日本の婚礼では、和装によってより美しさを際立たせるのに加え、お色直しという独自の文化で、洋装をまとい「らしさ」を表現することもできます。
 純真無垢。白をイメージする花嫁の、ちょっぴり緊張したような面持ちに映る牡丹色。それが頬紅によるものなのか、幸せにつつまれほんのり紅潮しているのか。詮索するのは無粋というもの。
 新郎に愛され、多くの人に祝福される花嫁。奇をてらうわけではなく、古くから伝わる様式を受け継ぐ日本らしいふたりの間には、愛する、そして愛される薄紅色を感じます。

取材協力/Fino BRIDALHOUSE写真提供/日本伝統儀式衣裳友禅保存協会