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ちょっと そこまで ゆったり と。

『いずっぱこ』でいこう。

がたんがたん。三島市を流れる清流源兵衛川沿いを散策すると、頭上を青い車体の電車が小気味いい音を立てて走っていきます。 

「いずっぱこ」の愛称で親しまれる伊豆箱根鉄道駿豆線は、新幹線も発着する伊豆の玄関口三島駅7~9番線を発車し伊豆半島をほぼ真っ直ぐに南下します。三島の市街地から、狩野川沿いに田方平野の田園風景を駆け抜け、中伊豆は終点修善寺駅まで全長およそ20㎞の単線の路線。駅の数は13。各駅停車でだいたい35分。通勤・通学だけでなく買い物客や観光にも利用され、車内は明るく活気づいています。こののどかなローカル線は、接続する東海道線よりもややゆっくりめ。ちなみに、修善寺~東京間を結ぶ特急踊り子号も平日は二往復、土曜と休日は三~三往復半運行しています。

箱根山、そして富士山を仰ぐロケーションと青い車体のコンビネーションは、特に撮り鉄と呼ばれる鉄道愛好家の人たちにもじわじわと人気を博しています。 東京~大阪間を一分でも早く!リニアモーターカー開業まぢか!なんてスピーディな移動手段のニュースも耳にしますが、こちらは地元の足。忙しさからちょっと離れて、ゆっくり乗っていこうじゃないですか。

車窓を流れる景色を眺めながら。電車の揺れに身を任せて。でかける人をほほえむ人へ。伊豆箱根鉄道駿豆線ののんびり旅です。

三島駅を出ると、東海道本線の線路とお別れするように、ぐぐっと左側にカーブします。住宅街、市街地を走り抜けてまずは三島広小路駅。このあたりでは電車は源兵衛川のせせらぎをまたいで三島田町駅・三島二日町駅を過ぎるまで街中を走ります。

まだまだ続く田園風景。伊豆仁田駅を越えたあたりから、少し勾配がついてきます。狩野川の支流を鉄橋で渡る音がなんともいえないローカル線の風情をかもし出します。

伊豆市の玄関口となっている修善寺駅。「いずっぱこ」のたびはこれで終わりではありません。ここからバスに揺られて修禅寺や天城峠などへ。思い思いに楽しんでください。